霊を見る神主・K
俺5.6上の神主でKさんという先輩がいる
入りたての頃に同期の巫女達と興味から色々神社の裏話を聞いたものだ
その一つに「幽霊見えるんですか?」だった
Kさんは「たまに見る」タイプだった
彼の話しによると殆どの神主が幽霊を見ないし、幽霊祓が出来る神主は県下二人、しかも一人はかなり高齢で生きてるかどうか分からないらしい
では次に「Kさんに霊はどう見えるのか?」だった
視界の見えるか見えないかのギリギリのところを横切る黒い物がそうだと言っていた
でもそれってよく言われてる話しだよなぁ、ホントに見えてるのかなとその時は思った
俺が初めて人形を見た後で、俺とKさんは同じタイミングで同じものを見た
その後、Kさんは夜警の時に同じ場所で線香の臭いを嗅ぐ様になったそうだ
「気付いたんだけど、霊が出る前って臭いがするみたいなんだよなぁ」
のちにコレは「霊臭」というものだと分かった
霊臭はその後俺自身も感じる様になったが、それはなかなか凄い話しになるのでまた今度
ある日Kさんは参籠客の接待に行った
神主が最低一人は行って、挨拶して来なければならないのだ
Kさんが参集場(参籠客用食堂)に入ると、6人掛けのテーブルにおじさんおばさん達が既に席に着いていた
長旅の後でゆっくり風呂に浸かって、目の前の食事に目を輝かせる参籠客達はいつもの風景だ
ところがKさんが席に着いてもう一度客席を見ると、参籠客は5人になっていた
「あれ?いまそこにもう一人女性がいらっしゃいませんでしたか?」と聞くと参籠客は「え?我々5人ですが?」と答えられた
所謂生き霊なのだろうか
霊能力って厳しい修行をした者とか清らかな者がそういう力を持つのかと思っていたが、この神社でその考えは捨てた
Kさんは仕事も卒なくこなすし、他の職員からも頼りにされる存在だ
しかし不潔なのだ
物理的にも精神的にも
同期で変なものを見たのも非処女ばかり
何かキッカケがあれば、案外誰でも見るものなのかもしれない
企業の御祈祷が多くてなかなか書けんよ
そう言えばコロナが流行ってから、神社に心霊相談が増えた
女性が多いが、工業系の会社の経営者とか、サラリーマンとか男性も結構居る
特に生き霊に関する相談が多い
>>156
やっぱ神職の人って今めっちゃ忙しいんだね
いつ位まで忙しいの?
神社に心霊相談の話は他でも見かけて興味ある
どう対応してるの?時間が出来たら教えて欲しい
>>158
神社にもよる
立地や由緒なんかによって、神社も格差が凄い
ウチの方は2月中旬くらいまで忙しくしてる
心霊相談の多くは気にし過ぎなんだけど、そういう場合は話しを最後までしっかり聞くんだ
順序立てて話していくうちにちょっと気持ちが落ち着いてくるんだよ
そこでスッキリして帰る人もいるし、意見を求められる時もある
その場合は神道の考えに沿った話をしたり、俺の場合は手相を見て助言する事がある
基本的には自分で納得のいく答えを見つけてもらうよ
数は少ないけどどうやら本物の怪奇現象に襲われている様な人には、希望があれば御祈祷や外祭(出張祭典)をすすめるかな
オォ、thx
心霊系の悩みってやっぱ気持ちの部分が大きいんだね
神職の人が話を聞いてくれるっていうのは悩んでる方からしたら心強い拠り所になるかもね
でもそういう時ってあるんだよ
賽の目の様に、偶々良い目が続く事もあれば、望まない目が続けて出る事もある
俺が初めて見たおかしなもの
俺が入社した翌年
その日は巫女達が神楽舞の練習をするので、参籠客の食事の準備には俺が行った
人数分の座布団を並べて、決められた通りに用意された小鉢を並べて、それから立て札に代表者名を書いて…
丁寧に字を書く事に夢中になっていて、真後ろにある窓から西日がガンガン入ってきてるのにも気付かず、いつもより時間をかけていた
その時、目の端に何かが現れた
俺の視線の先には白い大きな壁があった
そこに、人の影だけが浮かび上がっていた
もちろん、そこに人などいない。影だけだ
しかし影だけなのにどんな人物なのか、頭の中に情報が入ってくるのだ
グレーのポロシャツと黒っぽいスラックスを身につけた、40代くらいの中肉中背の男性
初めて見る奇妙なものに俺は固まってしまったが、それが何なのか知りたいという好奇心が湧いてきた
もっとよく見ようとしたのだが、意思に反して顔はソレから視線を反らせようと動く
目だけでも何とか追おうとしたが、その影は右を向いて襖の閉じている部屋に走って入った
体が動くので直ぐに後を追って襖を開けて部屋に入ったが、その影は見当たらなかった
俺は翌日その話しを巫女達にもしたのだが、非処女b美もそこで人影を見た事があるそうだ
同じくらいの時間に行ったけど、影は出なかった
俺が見たくらいハッキリと影を映そうと思うと、壁から10cm程度離した辺りに手をかざさないといけなかった
あの部屋で人が亡くなった事もないので、ただの通りすがりか何かなのだろう
飛蚊症の可能性も
そういう目の錯覚の可能性も考えたが、余りにも人過ぎるんだよね
振り向く所作や指の先まで、すっかり確認したけど間違いなく人の動きなんだよ
頭の中に強制的に情報が入ってくるのもおかしな話しで、全てが初めての体験だった
正直言って感動した
見える人の話しはよく聞くけど、自分自身がそんなの見るの初めてだったからさ
あれね、見ないとホント感覚分からん
幻とか気のせいとかで説明出来ない程ハッキリと分かるから
ノーコメントやで^ ^
そうそう、どんと祭にこれから行く人にお願いです
お焚き上げに持っていくのは神社のお札とお守り、破魔矢や熊手等の縁起物です
お寺さんのものはお寺さんに、ご遺品や人形ぬいぐるみ等ゴミに出すには抵抗のある物は専門の業者さんにご依頼下さい
どんと祭はお札や御守りの中の神様に元の場所へお戻り頂く神事なんですわ
納め方についても各神社の方針に従って下さいね
特にダルマ、酒瓶、よく分からない不用品を火にぶち込まれると破裂して負傷者が出ます
ウチの宮司も祝詞中に巻き込まれて流血沙汰になった事があります
職員だったからまだしも、参拝者が巻き込まれたら大変!
皆さんに気持ちよくご参拝頂く為にも、是非とも宜しくお願いします^ ^
めっちゃお役立ち知識じゃん!
ダルマとか熊手はお焚き上げに出す事自体はいいんだよね?
出す方は何に気をつけたらいいんだろ?
竹にもナタで切り込みを作らないと景気良く破裂します!
そういう所は過去に何らかのトラブルがあった可能性がありますので、OKな神社に持ってきて下さいね
事前にホームページやSNSで確認しておくと良いかも
納める際は「今までお守り頂き有り難うございました」と気持ちを込めて納めてね
数百円~で1年間働き続けた神様なんで^ ^
そんで最後の一文に超納得!笑
では、また楽しみに待ってます
おはよう御座います
昨日でどんど焼き祭関連はひと段落したので、時間を見て書こうかと思います
それにしてもUFOキャッチャーのヌイグルミ、パワーストーン、写真手紙の持ち込みの多さよ
説明して納得してくれる人もいれば、「何でダメなんですか」とゴネる&逆ギレする人もいる
宗教儀式なんやて。逆に何で持ってきて良いと思ったん?ネバられてもオジサン、困っちゃう
そんな訳で処理が分からんものはネットで調べてみてね
それからどんと祭に間に合わなかったお札や御守りについて、ウチみたいに神主巫女が常駐する神社や納め箱を置いてるでは年中引き取ってる所もあるよ
やってなかったり引き取り形態が違ったりするので、事前に電話等で確認してみてね
ちなどんと祭りって言い方の地域は限られてるぽいね
そうそう、左義長とか松焚とかどんど焼き等等いろいろ言い方があるね
さて、んじゃリクエストのあった「霊臭」の話しを少し書きますわ
この話しは幾つかあるんだけど、特にインパクトのあるものは二つ
今日はそのうちの一つを書いて、残りは後程別の話の中で紹介しますねー
霊臭については以前霊感のあるKさんから「霊が見える前に来るもの」として教わりました
実はこれ、れっきとした霊感の一つで霊を視覚ではなく嗅覚で感知するものらしいです
敬語長くなるのでちょっとやめます
Kさんは神社を閉めた後で夜警をしていると、毎度同じ所でお線香の香りを嗅ぐと言っていた
そこは宿泊者の部屋が並ぶフロアで、宿泊者がいなければ非常口と屋内消火栓の灯りしかなく、懐中電灯で一人点検して回るのだ
来客のあった部屋を中心に異常がないかみて回ると、いつも2階の廊下にお線香の臭いが充満しているそうだ
煙はない。ましてウチは神社なのだからお線香自体無い
他の階は大丈夫なのに、2階は凄いらしい
「霊が現れたら大祓詞でぶっ飛ばしてやる!」と息巻くKさんだが、未だ姿は見てないそうだ
どうして霊臭を霊が見える予兆と思ったが謎だが、この話しをされた時に俺にも心当たりが一つあった
ヒラ神主は寒さの厳しい時期にここの掃除に行かなければならない
道と言えるようなものは無く、尾根の上の少し削れたような部分が道に見えなくもない
足場は悪く、木も低木しかない
尾根伝いに下に向かうと3箇所ほど松林の中を通るところがある
俺はいつもこの真ん中の松林でお香の匂いを嗅ぐ
松脂のにおいでもない、人工的に作られたお香の匂いだ
Kさんと一緒にそこを通った時も俺しか気付かなかった
「仏像でも埋まってるのかな?」Kさんも興味があるようだった
今でも俺だけにこの匂いは感じ取れる
其処を掘る勇気はないが、ウチの神社は神仏分離令の折に何処かに仏像や経典、仏具を埋めたらしい
もしかしたら、もしかする
廟所(びょうしょ):祖先や貴人の霊を祭った場所
上杉謙信の廟所:山形県米沢市
さて、霊臭の中でも俺にとって最も重大な出来事が起きた
俺が権禰宜になって間もない頃
厨房の頃から慕い、通いつづけた場所がある
上杉謙信の遺骸が眠る、上杉家廟所だ
親父に頼み込んで連れて行ってもらっていたが、もはや車を数時間ぶっ飛ばして行けるようになった
休みが纏めて取れそうな時は、特に用が無くても会いに行っていた
我が社の大祭の直前に休みが取れたので、姉貴とともに廟所に行った
姉貴はあまり武将とか興味なかったが「龍上海の辛味噌ラーメン」が食べたかったようだ
廟所に行く際は一つの決まり事がある
それは姉貴の会社で作ってる絶品大福と酒を持参する事
別に廟所がそうしろと言ってる訳ではないが、これらを用意すると確実に晴れるのだ
例えどんなに土砂降りでも廟所に着く寸前には上がってしまうのだから、持って行かない手はない
しかし迂闊にも、俺は大福にばかり気を取られて酒を忘れて来てしまったのである
慌てて近くのコンビニに入り酒コーナーをみるが、全国どこでも見かける大衆酒しかなく、他より多少良いかなと樽酒のワンカップ?を選んだ
廟所の事務所の方々に挨拶をして真っ直ぐ謙信公の所に進む
謙信公の墓所を中心に、左右に歴代上杉家当主の墓が並ぶ
大福と酒を備えて墓前の御焼香を済ませて手を合わせる
その後笛の上達ぶりを聞いてもらう為に神楽笛で数曲演奏してから大福と酒を片付ける
大福は事務所に持って行って食べてもらう
帰り際に振り向いて「そういえば謙信さんて若い頃家出した事あったよなぁ。高野山じゃなくてウチに来れば逃げ切れたのに」などと考えていた
「あ、今度ウチで大祭を執り行います。お神輿も出るので良かったら是非来て下さい」と思いついたままに心の内で語りかけ、姉貴と共に龍上海(本店)へと向かった
宮司(ぐうじ)
権宮司(ごんぐうじ)
禰宜(ねぎ)
権禰宜(ごんねぎ)
出仕(しゅっし)
神輿渡御神事(しんよ(みこし)とぎょ しんじ):お神輿が練り歩く
休みも終わり、神社に戻って祭典準備の仕上げにかかる
大祭前夜祭、本祭、滞りなく終えて神輿渡御当日を迎えた
お神輿を出すのは昼前からで、それまでの間御祈祷もこなす
意外と大きい団体の御祈祷が入り、巫女も神楽舞の為に参進した
斎主が祝詞を上げている間俺たちは頭を下げているのだが、この時奇妙な匂いが漂ってきた
甘ったるい、あんパンみたいな匂いだ
何だっけ?俺この匂い最近嗅いだわ
しかし思い出す間もなく祭儀を行わなければならず、御祈祷が終わった後で隣にいた後輩に甘い匂いがしてなかったか尋ねた
「いや?全然そんな匂いはしなかったです」そう言われて他の巫女や斎主さんにも尋ねたが、皆知らないと言う
お神輿を出す時間になり、典儀(司会)所役が当たっていた為匂いの事はすっかり忘れてしまっていた
何しろあちこちでカンペ無しで式次第を言わなければならない
顔の分からない役員も途中で消えたりする為、こちとら気が気ではない
何とかお神輿の目的地「御旅所」に着くと、すぐさま御旅所祭を執り行う
普通なら御旅所は街の中にあったりするが、ウチの場合は里から離れすぎているので御旅所も里の方角にある山の中だ
此処が俺にとっての一番の難所だ
顔も知らんのに居る役員の名前だけを呼ばなければならない無理ゲーが始まるからだ
因みに居ない人の名前を呼ぶと、後で宮司からネチネチお叱りを受けるという理不尽な罰ゲーム付きだ
何とか玉串奉奠を乗り切って安心した時、不意にまたあの甘い香りが漂って来た
そして思い出したのだ
これは俺が謙信公の墓前に供えた「樽酒」の匂い
まさか、本当に来てくれたのだろうか?
すると今度は匂いが変わった
分かる、これは上杉家廟所の御焼香の匂い
こんなにハッキリ匂いがするものなのか?
まるで鼻のすぐ下にワンカップ?やお香を押し付けられている様に、顔の向きを変えても同じ濃さの匂いが続く
外で、しかも結構風もあるのに、こんな事あるのか?
俺は再び後輩(さっき一緒に御祈祷してた奴)や手伝いに来てるオッチャン達にも匂いがしないか尋ねたが、やはり俺にしか分からないようだった
あれからだいぶ経つが、果たしてあの時の現象は謙信公が来て俺に送ってくれた合図だったのか、はたまた謙信公のフリをした別のものなのか、ハッキリと確かめる術はない
それでも俺には謙信公に思えてならない
霊の寿命は400年くらいと以前誰かが書いていたけど、信仰の対象となった人はもっと長くなるのかもしれない
もう一つ、もしかしたら霊を感じる感じないには、相手である霊自身の意思が関係するのかもしれないと思った
どんと祭りおつかれさま
お線香のにおい、は読んだり聞いたりしたことがあるけど多分本当にあるんだね
神社でお線香なのもおもしろい
最初は大福の匂いかと思ったけど確かにあんパンて少しお酒の香りっていうかするよね
そんでもしかして上杉謙信が文字通り自分匂わせで来てくれたのかもっていう壮大さもいいね
>>192最後の一文もなるほどあるかもってなんか思った
でも人の多い街中ではなく、山の中で突然ってのはなかなかにホラーだよ
伝承によると場所は不明だが山の中のあちこちに宿坊が在ったらしい
その時の記憶みたいなものが未だ留まっているのかもしれない
最初の御祈祷中は殿内であんパン食ってる奴でもいるんかな?と思ったわw
今日は清祓の事を少し書くね
此処での清祓(きよばらい)は所謂 事故物件の出張お祓いね
出張祭典の依頼は良くあるが、大体決まった建築業者が電話かけてくるんだよね
でも偶に賃貸業者、ホテル、個人が声のトーンを落として「あの…其方では出張してのお祓いとかやってますか?」と言ってくる時は、大体死者が出た為のお祓いだ
以前話した、怪奇現象に襲われてる人もこんな感じでかけてくる
死因は病気による突然死と自サツが多い
お年寄りの老衰による自然死の清祓はあまり依頼されない
この清祓は早朝等人目につかない時間を希望されるケースが殆どで、例えば飛び降りがあったとしても目につく場所はお祓いしないで欲しいって頼まれるんだよ
そりゃオーナーからしたら、事故物件のレッテル貼られるのは嫌だろう
起こったことは仕方ないが、何とか周囲にバレずに事を済ませたい訳だ
そんな理由で祭壇を抱えて白衣という極めて目立つ姿でこのミッションインポッシブルに挑む訳だが、どうやら我が社の神職神職の任務遂行能力はずば抜けて高いらしく、後で現場を大島てるで確認しても炎マークは付いていない(但し派手な自サツで全国ニュースになった件は除く)
ところで読んでる人の中で事故物件に行った事ある人、いる?
よくテレビとかで廃墟とか事故物件に来て「寒い…」て女優さんとか霊能者とか言うよね?
俺の知る限りでは逆に「ヌルい」んだよ
表現が難しいが、空気の温度が均一で動きがない、静か、違和感を感じる、かな
場所によっては電灯が点滅する、スマホがおかしくなる等の異常が起きるが、不思議な事に清祓が終わると元に戻る
怪奇現象が起きるから来てくれと言う人には予め「ウチはお祓いはするけど霊が見えるわけでもないので、確実に現象が収まるか分かりませんよ?」と確認して、それでも良いと言う場合受ける
此方も祓えば殆ど収まるが
ある時期から毎日の様に通い続けて、顔を合わせれば挨拶もした
(この人、訳ありだな)俺は直感的にそう思った
話を聞いて欲しい人の雰囲気があるんだ
案の定、それから数日後に境内であった時に神棚の事で相談があると言われた
神棚の祀り方に関してはしょっちゅう質問を受けるが、この人は別に話したい事があるのだろうと感じた
初めこそ神棚と仏壇の位置などよくある質問だったが、話しを進めていくうちに身の回りで起きる奇妙な出来事の話題になり、その原因が空き家になった実家の神棚にあるのでは?とご婦人は考えている様子だった
住む気が無いなら神棚は納めた方が良いのだが、親族の同意が得られず悶々としているみたいだ
こればかりは親族と話し合って折り合いをつけるしかないが、頑固な親族を説得する為にも彼女は神主の意見を聞き出したかったようだ
神棚の件は納得して貰えたのだが、彼女はまた一月ほどして参拝に来ていた
なんでも神棚の撤去に反対していた親族が危篤になっているらしい
彼女は神棚を殆ど人のいない家に祀り続ける事を良しとしない神の祟りにあったのではないかと思い、我が社の神様に助けてもらおうと思って来たそうだ
だがよく話しを聞けば、だいぶ高齢の上前から癌などを患っていて、いつでもあの世にスクランブルできる状態だったらしい
ごめん、続きは明日
お待たせ
生き死には大抵運命
兎に角未来がどうか知る由もないのだから、せめて後悔の残らない様に今考えられる最善を尽くしては
という内容の話しをご婦人にすると、納得したのか暫くの間定刻にお参りに来る様になった
それから3月ほどして、境内の紙垂(鳥居とか御神木の縄についてる紙のやつ)を変えていると再びそのご婦人に呼び止められた
危篤だった親族が亡くなったのだという
空き家の神棚についても生きてるうちに同意してくれたし、何より医者に言われた余命宣告よりだいぶ生き、前日は元気そうだったらしい
今回の件は神様の祟りとかではないとご婦人も思っているようなのだが、奇妙な事が相変わらず続いているそうだ
そういや気にしすぎの類いっぽかったのでおかしな事の内容聞いてなかったわ
此方から問う間も無く、ご婦人はどんな事が起こってるのか話してくれた
ご婦人は毎朝車で出勤する
駅前に続く交通量の多い大きな道を通るのだが、途中に複雑な分岐をする交差点がある
渋滞しやすい箇所なのだが、ご婦人は此処に差し掛かるといつも奇妙な現象に見舞われる
車の中に、焼け焦げた臭いが充満するのだ
窓は閉め切っているし、あの辺りで焚き火しようなんて勇者は存在しない
俺は車のトラブルの可能性は無いのか尋ねたが、そこを通り過ぎると臭いは消えるそうだ
因みに他のところではそんな現象はないし、車屋に見てもらっても異常はないらしい
こりゃ十中八九、霊臭だな
しかも、ああ…この場所は、確か
焼身自⚫︎のあった家の近くじゃないか
ウチでお祓いに行ったのだ
流石に衝撃的過ぎてニュースになったし、大島てるにもバッチリ載ってる
しかし俺も友達知人もよく通るがそんな経験はしていない
嫌な臭いの霊臭は良くない霊と聞くが、どうしてご婦人だけが感知してしまったのだろう
ご婦人に起きた事はおそらく全部関連性は無くて個々の事象って事だよね
でも同時期に起きたら関連付けたくなるのわかりみ
ご婦人に焼身ジ○の事って話したの?
繊細な人に「それ近所の焼身自⚫︎の人の霊かもしれませんねー」とか、ちょっと言えないわ
ましてウチでお祓いに行ったのに、まだ居るって事だし
取り敢えず車用のファブリーズとかフランキンセンス香とか勧めといた
ファブリーズよく聞くけど本当に効果あるんだ
何ともないが
甥の部屋に二体くらい住み着いた時も、ファブリーズ無双で追い払った
あと首絞めてきたり足掴んだりしてくる霊にパンチ、キック、噛みつき、頭突きなどの攻撃が効くことがあるらしい
万が一のエンカウントの際には諦めずに闘うんだ
空間の匂いを消して清浄するみたいな概念の問題なのかなと思ったけど製品の効果効能も関係するって事かw
ほんで物理的攻撃も効くんか、色々ためになるな
引用元: https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1671545512/
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